2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧
「あんたこそが正直者さ この国ときたら 賭けるものなどないさ 男の話を聞かせてよ サイコロころがして」 男の話を聞かず、人の話を聞いてばかりいるうちにサイコロを振らない人間が増えていった。 しだいに女性は彼らのことを男と呼ぶようになっていった。
「"もう逃げられない"と思った "あきらめなさい"直感がそう言ってきた」 「覆われているもので現わされないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはない。だから、あなたがたが暗闇で言ったことはみな、明るみで聞かれ、奥の間で耳にささやいた…
これは初めて壊した映画である。 漫才を壊し、コントを壊し、バラエティ番組を壊し、芸人像を壊し、刑事映画を壊し、純愛映画を壊し、ヤクザ映画を壊し、時代劇を壊し、芸能雑誌との関係を壊し、顔面を壊し、夫婦関係を壊し、師弟関係を壊し、所属事務所を壊…
本当にこの日に戻りたいのか。 本当に幸せだったか。 今、本当に不幸せなのか。
「あの時、神田の古本屋で、あの本を手にしていなかったら、ぼくはアラスカに来なかっただろうか いや そんなことはない」 雲で空の高さを測るように、心から楽しんでいることで自分だけの足あとを確かめている時、この雲は一人にしか見えない。 「そうか、…
性教育をしなかった者がある日「子どもはまだ?」という驚くべき質問をし、避妊について教えなかった者がなぜか「どうして気をつけなかったんだ?」と子どもを責め、性差について話しておかなかった者が性犯罪に遇った子に「どうして逃げなかったんだ?」と…
この難解な現代詩は俗人には理解できまい、と悦に入る詩人は二流である。 「新たな空襲があるたびに、日本軍は膨大な量の無線交信を発し、それがハイポの解読作業をはかどらせた Aが中部大西洋のアメリカの島々、Pは中部大西洋の日本委任統治領、Rは南太平洋…
同年生まれの頂点を決めるダービーを制する馬の背中には、武豊にしか分からない感触があるのだという。 「この背中なら、勝負になる」 その詩を初めて武豊に口にさせたのは、スペシャルウィークという馬だった。
日本代表はオシムの詩を体で理解しただろうか。 「敵に呼吸をさせてはならない 頭を使って走るのだ サッカーはサーカスではない」 選手の走りは詩を書くようになっただろうか。
みじめで、この取り替えたばかりの電球の下のつつましい幸せに戻って来られたことに感謝している。 「ああ まぶしい まぶしい 覗くなら覗け わたしたち親子は 美しいのだ」 女に無自覚に夢を見せる悪魔のことを男ともいう。
この指先から始まった。 「我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。」神は御自身にかたどって人を創造された。(創世記1:26) 人類は今でも神に似ているだろうか。
もはや誰の声も聞こえない闇の中にいる。 「そうして相手に絡んで相手を痛めつけて、自分の心の傷を癒している 相手を痛めつけることで自分の心の傷を癒しているのだから、そう簡単には離れない 離れたら心の傷を癒やせなくなる」 「サウロ、サウロ、なぜわ…
自分たちで決めた規律を守れない時にウイルスを憎む生物がいる。 自分たちで見つけた有効な手立てを信じられなくなった時にウイルスに怒りをぶつける生物がいる。 「そもそもウイルスは悪ではない ウイルスは物を考えたりしない 彼らには善悪の概念もない 道…
今度は無人兵器に戦争をさせるつもりらしい。 「誤爆が起きた場合、責任者は誰か。無人機?当日の基地司令官?軍最高責任者?ソフトウェアの開発者?」 しかも映画ではないらしい。
この男はあのリコールを乗り越えた。 「すべてのトヨタ車には私の名前が入っている。私にとってクルマが傷つくことは、私自身の体が傷つくことに等しい」 人生は最良の日だからと終わってくれるわけではなく、最悪の日だからといって終わらせてくれるわけで…