2022-03-16 "あれも嫌いこれも好き"佐野洋子 エッセイ 戦後の貧しさの中で、父親の病気は進行していった。 「一串のうなぎの皿を見ながら、食ってくれ全部食ってくれと私は祈り、残してくれ残して食わせてくれとどこかで思い、そして残されて絶望的になった子供心が、今もどこかにはりついて消えない」 少女はまだあの時のうなぎを見つめている。